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「BGSのスコアが思ったより低かった……どこが減点されたのかわからない」という経験、漫画コレクターなら一度は感じたことがあるんじゃないでしょうか。
BGSの総合グレードは10点満点のわかりやすい数字ですが、実はその背後に4つのサブグレードが存在していて、それぞれの基準を知らないと「なぜこのスコアなのか」がまったく見えてきません。
この記事でわかること:
- サブグレード4項目(センタリング・角・エッジ・表面)の具体的な評価基準
- 各項目で何が減点対象になるのか
- スコアを下げやすいポイントと保管・提出前のチェック方法
- サブグレードを鑑定費用対効果と照らし合わせる視点
🏆 結論:サブグレードは「最も低い項目がボトルネック」になる
BGSの総合グレードは4つのサブグレードの平均値をベースに算出されます。つまり、3項目が10点でも1項目が7点なら総合は10点にはなりません。どこか1か所でも弱い項目があると全体を引き下げる仕組みなので、4項目すべての基準を理解しておくことが、鑑定結果を読み解く第一歩です。
なお、2026年9月時点ではBGSの漫画鑑定は新規受付が確認できない状況です。受付再開に備えて基準を把握しておくのが賢い準備の仕方です。
BGSのサブグレードとは何か|4項目の全体像
BGSのグレードの見方|点数・サブグレード・ラベルの読み方でも触れていますが、BGSのスラブ(鑑定ケース)には総合スコアのほかに、サブグレードとして以下の4項目が個別に記載されます。
- センタリング(Centering):本のレイアウトが表紙の中央に正しく配置されているかどうか
- コーナー/角(Corners):4つの角の状態
- エッジ(Edges):上下左右の縁(ちり)の状態
- 表面(Surface):表紙・裏表紙の印刷面の状態
各項目は1〜10点で評価され、0.5刻みでスコアが決まります。総合グレードはこれら4項目から算出されますが、BGSの計算方式は単純平均ではなく、最低スコアの項目に引きずられやすい設計になっています。そのため、1項目だけ飛び抜けて低いと総合スコアに大きく影響します。

センタリング|印刷のズレをどう評価するか

評価の基本的な考え方
センタリングとは、表紙のデザイン(イラスト・タイトル・帯など)が、本の物理的な紙面に対してどの程度中央に配置されているかを見る項目です。製造段階での印刷・断裁のズレが主な原因になります。
具体的には、左右の余白比率と上下の余白比率を見ます。たとえば左の余白が3mmで右の余白が7mmの場合、比率は30/70となり、これだけで減点対象です。BGSでは一般的に以下のような目安が参照されます:
- 55/45以内:ほぼ理想的。高スコアの範囲
- 60/40程度:若干のズレ。7〜8点台になる可能性
- 65/35以上:明らかなズレ。5〜6点台以下になりやすい
漫画ならではの難しさ
トレーディングカードとちがって、漫画単行本は印刷ロットごとに断裁のズレが生じやすいという特徴があります。初版本は特に断裁精度にばらつきがあり、同じタイトルの同じ巻でも個体差が出ます。これは購入者の管理の問題ではなく製造上のものなので、どれだけ丁寧に保管していてもセンタリングだけは変えられません。
つまり、センタリングが高スコアかどうかは買ったときにすでに決まっているともいえます。鑑定前にセンタリングを目視でチェックする習慣をつけておくと、鑑定費用をかけるか判断する材料になります。
チェックのやり方
定規で余白を実測するのが最も正確ですが、目視でも表紙を平置きにして遠目から見ると左右・上下のズレが確認しやすくなります。スマートフォンのカメラでまっすぐ真上から撮影し、画像のグリッドを使って比率を確認する方法も使えます。
コーナー(角)|4つの角それぞれが個別に見られる
何が評価の対象になるか
コーナーの評価は、本の4つの角(右上・右下・左上・左下)のそれぞれについて、折れ・めくれ・白化・つぶれの有無を見ます。4か所のなかで最も状態の悪い角が全体のコーナースコアを決める考え方です。
主な減点対象:
- 角のめくれ(めくれ起き):カバー紙の角が少し浮いた状態。軽度でも減点対象になる
- 白化(ホワイトニング):角の折れ目に沿って印刷面が白く剥がれたような状態。暗い表紙のカバーで目立ちやすい
- つぶれ(ブランティング):角が丸くつぶれた状態。積み重ね保管や輸送中の圧迫が原因になりやすい
- 折れ線(クリース):角に折り筋が入った状態
スコア感の目安
- 9〜10点:4か所ともシャープで白化・折れが肉眼でまったく見えない
- 7〜8点:1か所に軽微なめくれか白化。ルーペで確認できるレベル
- 5〜6点:2か所以上に折れか白化。肉眼ではっきり確認できる
- 4点以下:角がつぶれているか、折り筋が複数ある
保管時に気をつけること
角のダメージの多くは保管方法と輸送時の扱いから来ます。本を横置きで積み重ねると下の本の角に圧迫がかかります。また、本棚に斜めに差し込んだり、上から押さえつけるように詰めたりするのも角のつぶれの原因になります。鑑定を視野に入れている本は、専用のスリーブやリジッドケースに個別に保管するのが理想です。
エッジ|上下左右の縁に入るダメージを見る

エッジが指す部分とは
エッジとは、本の上辺(天)・下辺(地)・小口(こぐち)・背(のど)の縁を指します。表紙の端のラインが均一に保たれているかどうかを見ます。コーナーと似ていますが、エッジは点ではなく線の状態を評価する点が異なります。
主な減点対象
- エッジのはがれ・めくれ:縁に沿ってカバーが浮いている状態
- かけ(チッピング):縁の一部が欠けた状態。小さな欠けでも明確な減点になる
- 白化(エッジホワイトニング):縁に沿って印刷面が白く剥がれた状態
- 小さなへこみ(インデント):ぶつかり傷のような小さなくぼみ
- 折れ筋(エッジクリース):縁に沿った折り目
漫画でエッジが劣化しやすい理由
漫画単行本のカバーは一般的に薄いコート紙が多く、縁が傷みやすい素材です。本棚から抜き差しするときに上辺を爪で引っかけてしまうと、エッジに細かな傷やめくれが生じます。これは「読んだ」本では避けにくく、未読・未開封でも輸送中の振動や摩擦でエッジが傷むことがあります。
鑑定を考えているなら購入直後からスリーブに入れて保管するのが最も確実な対策です。
エッジとコーナーは連動して見る
実際の状態確認では、エッジとコーナーは続いているため、角のつぶれがエッジの傷みと連動していることがよくあります。鑑定前のセルフチェックでは、4つの縁を自然光のもとで角度を変えながら見ると細かいダメージが見つかりやすくなります。
表面(サーフェス)|印刷面の状態は最も幅広い評価項目
表面で見られること
表面(Surface)は、表紙・裏表紙の印刷面全体の状態を評価する項目です。4項目のなかで最も評価ポイントが多く、以下のような要素がすべて対象に含まれます:
- スクラッチ・傷:表面の引っかき傷やすり傷
- 汚れ(ステイン):指紋・汗・飲み物の染み・インクなど
- 印刷ムラ・ロールマーク:製造段階の印刷不良や版のムラ
- 光沢ムラ(グロス):表面コーティングが均一でない箇所
- 折り筋(クリース):表面に生じた折り目や圧迫痕
- 色落ち・色褪せ:経年変化による印刷面の退色
- シールの跡:値札シールや帯のりの残留
表面のスコアが下がりやすい状況
表面のダメージは保管環境に大きく左右されます。高温多湿の環境だと印刷面が波打つことがありますし、紫外線にさらされると色褪せが進みます。また、シュリンクを開封しただけで内側の摩擦によって微細な傷がつくことも報告されています。
シュリンク未開封の本の価値についてはシュリンク未開封の漫画の価値|開けるべきかに詳しくまとめているので、表面スコアと合わせて読んでみてください。
製造起因のダメージは審査で考慮される場合がある
印刷ムラやロールマークなど、製造段階で生じたダメージについては、BGSの審査員がコレクターの管理とは無関係であることを考慮してコメントを添える場合があります。ただし、スコアに反映される基準は非公開であり、すべてのケースで考慮されるわけではありません。
4項目の関係と総合グレードへの影響
サブグレードから総合グレードが決まる仕組み
BGSの総合グレードは、4つのサブグレードの組み合わせをもとに決まります。単純な平均ではなく、最も低いサブグレードが「天井」の役割を果たすため、たとえば以下のような結果になります:
- センタリング9.5・角9.5・エッジ9.5・表面6.5 → 総合は9にはならない
- 4項目すべてが9.5以上 → 総合9.5が視野に入る
これが、最初の「結論」で触れた「ボトルネック」の正体です。1か所でも弱い項目があると全体を引き下げるため、4項目を均等に高いレベルで維持することが高スコアへの唯一の道です。
どの項目がスコアを下げやすいか
コレクター間の情報では、センタリングと表面が下がりやすいと言われることが多いです。センタリングは製造段階で決まってしまい後から改善できませんし、表面は保管・取り扱いのあらゆる場面でダメージリスクがあるためです。角とエッジは丁寧な保管でコントロールしやすい面があります。
鑑定費用と見合うかの判断軸にもなる
サブグレードの基準を知っておくと、「この本は鑑定に出す価値があるか」を事前に判断する材料になります。目視でセンタリングのズレや角の白化が明らかな本は、高スコアを狙いにくく費用対効果が下がります。
鑑定にかかる費用の詳細は漫画をBGS鑑定に出す価値はある?1冊1万円超の費用と損益分岐点で試算しているので、提出前に必ず確認してみてください。諸費用込みで1冊あたり1万5千円前後かかることを考えると、総合グレードの差がどれだけ売却価格に反映されるかを冷静に見極める必要があります。
受付再開に備えたセルフチェックの手順
2026年9月時点では、BGSの漫画鑑定は新規受付が確認できない状況です(最新の受付状況はBGS漫画鑑定が新規受付停止|2026年9月の最新状況と今できることをご確認ください)。ただ、受付再開に備えて今から手元の本の状態を把握しておくことは十分意味があります。
4項目のセルフチェックリスト
鑑定を検討している本について、以下の順番でチェックしてみてください:
- 【センタリング】本を平置きにして真上から撮影し、左右・上下の余白比率を確認する
- 【コーナー】4つの角を自然光のもとでルーペや拡大鏡を使って確認する。白化・めくれ・折れ線の有無を見る
- 【エッジ】天・地・小口・背の4辺を角度を変えながら確認する。縁のめくれ・欠け・白化を見る
- 【表面】蛍光灯より自然光のもとで傾けて見る。傷・汚れ・折り筋・印刷ムラを確認する
チェック結果を写真で記録しておくと、鑑定後のスコアと照らし合わせやすくなります。売却前の写真撮影のコツは漫画を売る前の写真撮影のコツ|証拠を残す方法も参考になります。
よくある質問
Q. サブグレードのうち1項目だけ極端に低いとどうなる?
総合グレードが大きく下がります。たとえばセンタリングだけ6.0で他が9.5でも、総合は8〜8.5程度になることがあります。BGSの計算式は非公開ですが、最低値の項目が総合スコアの「天井」として機能する設計です。1項目でも弱い箇所があれば鑑定前に慎重に判断してください。
Q. サブグレードは表と裏の両面を見るのか?
はい、表紙だけでなく裏表紙も評価対象です。特に表面(Surface)は表裏両面の状態が総合的に見られます。裏表紙に価格シールの跡や汚れがある場合も減点対象になりえます。
Q. シュリンク未開封の本はサブグレードで有利になるか?
一般的にシュリンク未開封であれば表面や角が保護されている可能性が高いですが、BGSはシュリンクを開封して中身を評価します。製造段階でついたダメージがあればスコアに反映されますし、シュリンク自体がセンタリングのチェックを妨げるわけでもありません。「未開封だから必ず高スコア」とはなりません。
まとめ
- BGSのサブグレードはセンタリング・角・エッジ・表面の4項目で構成される
- センタリングは製造段階で決まり、後から変えられない。購入時点での目視確認が重要
- 角とエッジは保管方法でコントロールしやすい。スリーブ・ケースへの個別保管が有効
- 表面は最も評価ポイントが多く、保管環境・取り扱いのあらゆる場面でリスクがある
- 4項目のうち最も低い項目が総合グレードのボトルネックになる
- 鑑定費用は諸費用込みで1冊1万5千円前後かかるため、サブグレードの見込みと費用対効果を照らし合わせた判断が必要
- 2026年9月時点では漫画の新規受付は確認できていない。受付再開時は必ず公式サイトまたは代行業者で状況を確認すること
次にやること:手元で鑑定を検討している本を、上記のセルフチェックリストに沿って1冊ずつ確認してみましょう。センタリングの確認だけならスマートフォンと定規があれば今すぐできます。状態の記録は写真で残しておくと、受付再開後の判断材料になります。
費用の試算や損益分岐点の考え方は漫画をBGS鑑定に出す価値はある?1冊1万円超の費用と損益分岐点、最新の受付状況はBGS漫画鑑定が新規受付停止|2026年9月の最新状況と今できることでそれぞれ詳しく解説しています。
※価格は執筆時点の参考価格です。最新価格は各販売サイトでご確認ください。
